クロワッサンもカスをこぼしてはならない。

今日が雨にならないことを、月曜から祈っていた。

彼と外を歩きたかったし、無性にクロワッサンが食べたかったから。晴れたらモーニングに行こうと決めていた。

空は晴れていた。すでに部屋は暑かった。起きた時に思った。眠い。

「眠いなら無理しなくて良くない?」

晴れていたのでひとまず洗濯をまわすことにした。こんな時、私を嗾けてくれるのはいつも彼である。

「とりあえずシャワーでも浴びてきたら?」汗を流してさっぱりするとお腹が空いてきた。めでたく、外へ出かけることができた。

少し歩いた先の公園へ向かいがてら、パンとコーヒーを入手することになった。お互いの趣味の物とシートを持って。

目的のパン屋さんにはクロワッサンが無かったので『クロワッサンの配合種でレベル最上級』みたいな美味しそうなものにした。

私がクロワッサンを食べたかったのは、幸せな気持ちに浸りたかったからなのだろうな、ということに行き着いた。人様が作ってくれたサクサクじゅわぁっとしたのを、いつもと違う景色を見ながら誰かと「美味しいね」って言いながら食べたかったのだ。

公園で、午前中から、木陰にシートを敷いて、人が作った美味しい物があって、気温と反対温度の飲み物があって、好きな人と思うままに過ごした。幸せなことこの上なし。

緑がこれ以上切り倒されなければいいな。争いごとがなくなったらいいな。と規模のでかい切実な願いを思い浮かべた。

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