2023/08/01 レモンポピーシード

すすみかた

自分が妖怪になって敵チーム(妖怪)と闘う夢を見た気がした。

久しぶりの友人と散歩がてら飲みに行った。

最近友達が減っている(そんな自分が恐ろしくなってきた)私は、ウキウキとソワソワでムズムズして、15分も早く家を出た。とっても早く待ち合わせ場所に着き、先にお店に入ることにした。

こぢんまりとしているけどどの席もそれぞれの魅力を感じる。

窓側は視界が開けて気分も開けそうだし、奥の席は奥の角が鋭角で作戦会議でもしたくなるような。カウンターでは女性がキャロットケーキ横目にカタカタpc作業をしていた。

私は店員さんに勧められたとおり、壁に寄りかかれる端っこの席をとった。2階もあるらしい。

お店はどこを切り抜いても可愛らしくこだわりを感じる。どの席も制覇してみたい気持ちになった。

お会計場から見えるところに焼き菓子全種類が置いてある。チーズケーキ、キャロットケーキ、バナナケーキ、チョコレートもいいな、、全部食べたい気持ちを堪え「ひとつ」をじっくり真剣に選んだ。

レモンポピーシードケーキ。数年前チェーンのカフェでポピーシードの入ったケーキを食べた時からあのぷちぷちの虜になった。レモンの爽やかな香りも最高。ポピーシードケーキがあったらよっぽどで無い限りそれを頼むと決めている。

一緒に頼んだカフェラテには小さなアイスクリームを乗せてくれていた。席についてさっそく食べたポピーシードケーキが美味いのなんの。ヨイしっとり加減。ヨイれもんの香り。ほどヨイ甘さ。ヨイ厚さ。待っていたぷちぷち。パウンドケーキ型のは、焼かれている状態から見て底と上が好き。美味しい。(できるならお店でだって端っこが食べたい)

時間より少し遅れた彼女はGoogleマップに翻弄されて遠回りをして辿り着いたらしい。友人の頼んだラムレーズンのチョコブラウニーも、美味しさとラムの良い香りに目を見張った。物理的に目をかっぴらいておどろいた。見た目よりかなりしっとりしていて、甘党酒好きに勧めたい逸品と思う。

そのお店を出てぶらぶらと歩き酒処へ。平日開店すぐだからかお客さんおらず。瓶ビール、貝と青菜の辛子和えを頼む。齢27ではあるが、数年前と比べてかなり胃が弱くなった。食べられる量も減ってしまったので、一品選ぶのにかなり慎重になる。それは彼女も同じようで、15もないメニューを二人しばらく行ったり来たり。少し腹に溜まるものが欲しく、でも肉を揚げるともうそれで今日が終わると踏んだ私たちは、出汁まきと揚げ出し豆腐で悩み、動物性タンパク質に怯み、揚げ出し豆腐を追加注文した。

お客さんがいないからか、とてもさっぱりした店内。注文は全部スマホから。最近この形態が増えているように感じる。働く側からすると手間が省けて良いと思う、でも、と思ってしまう。酒なんて、食い物なんて、びゃっと一覧で見えるから、あれもこれもと目移りする間があってこそ、もりもり食欲が出てくるのになぁなんて。結果なんだか味気なく、イソイソ店を出る私たちだった。

飲み足りないやい!も少しいこう!と息を巻いたものの胃は意気消沈。ふたりとも「もう、ポテトサラダも食べれないかも」「なんか、ワインとほんの少しつまめるものを探そう!」お腹はすでに9割5分。

日が沈み、その日の日中のどしゃ降りのおかげで風も涼しかったので、「外で一杯だけやろう」かという話になり、外に席のある古そうな赤提灯の(ワクワクする)お店へ行くことにした。ここで私の気の弱いところ。あんだけ「外がいいね!」と話していたのに、店員さんに中を案内されると外席の打診もできず従順に座る。友人、ごめんよ…。

赤提灯の店、メニューはB4用紙片面に。冷たいもの、すぐ出るもの、串焼きのものなど。ウンウンこれこれワクワクします。食欲回復。二人で串8本、お通しのゴーヤのお浸しを日本酒でちびちび。炭火の香りに調子づいて、「ワインはナチュールなので基本ボトルで」とのことだったので諦め、日本酒をおかわり。ポテトフライと枝豆も。ワインを諦めた私たちのとこへ色白の育ちの良さそうな艶々したお兄さん店員さんが「僕の私物なんですけどよかったら飲みますか」となんとかフライデーというオレンジワインをわざわざ持ってきてくれたもんなので、その気持ちに嬉しくなって一杯もらうことにした。

日本酒チェイサーにワイン。オレンジと白の間の綺麗な色、気付けばそのボトル、二人でカンカラにしてしまう。あぁ、残してお家に持って帰る予定だったのに。楽しいとお酒が進んでしまう。(お店にまんまとしてやられたか)

この頃ささくれ立ってカサカサの私には久々、飲んだ酒の分潤いしみじみ染み込んだ心明るい日になった。

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